交 絡

 ある危険因子の曝露と転帰結果の関連を考える際に、その危険因子に付随し 表には現れていないその他の危険因子が直接転帰に関連し、観察している因子は 直接的には関連していない場合があります。これを交絡 confounding といいま す。例えば、喫煙と癌の関係を調べる時、実際には付随する他の因子が直接に癌 の発生と関係あるような場合です。
 このように曝露と転帰に係わる因子を交絡因子 confounder(またはconfounding factor)といいますが、これは曝露と転帰の因果関係の過程で生じるものでは ないことに注意する必要があります。また、対象の選択や判定上で問題となるバ イアスとも異なります。観察的研究ではこの交絡が起こる可能性が常に存在しま す。つまり、比較したい群はコホート研究での曝露状況や患者対照研究の転帰状 況以外の方法で区別される可能性があるということです。このような群を区別す る方法をどのようにしたらよいかは必ずしもいつもわかっているとはかぎりませ ん。これらを避けるためには研究デザインと結果の分析に工夫が必要となってき ます。

研究デザインにおける交絡のコントロール

データ分析における交絡のコントロール

   

UPDATE:10/May/10'

© S. HARANO, MD,PhD,MPH