ある患者がよりよい治療により利益を得る(例えば、治癒する)と考えられ
る時に、その治療を何人の患者が受ける必要があるかを表したものをNNT(number
needed to be treated)と言います。
もし、ある疾患の5年生存率が従来の治療法によると30%であったものが、
新たな治療法により50%となったとすると、従来の治療法を受けていた患者が新
しい治療法を受けたとすると、5年生存率は20%増加すると期待できます。この
ような患者が100人いたとすると、20人が新たにそのような利益を得ると期待で
きます。つまり、新しい治療法による利益を1人が得るためには、少なくとも5
人がその治療法を受ける必要があるということです。この5人がNNTとなりま
す。
無作為化比較対照試験
では、この数字はより大きいものとなる可能性があります。例えば、80%か
ら85 %に改善されるとすれば、100人の内5人、つまり20:1となり、NNTは20
となります。当然、この数字が小さいほど新しい治療法が従来のものより優れて
いるという評価ができます。
このNNTの推定には
信頼区間
を用いることもできます。もし、2つの治療法のリスク差の95%信頼区間が0.1
から0.25であったとすると、NNTの95%信頼区間は4から10となります(上
限と下限が逆転しているのに注意)。
UPDATE:10/May/10'
© S. HARANO, MD,PhD,MPH