概要

 「漢方」は中国よりわが国に伝わった伝統医学が独自の発展をした和漢医学を主にこう呼びます。一方、中国では近代になって新たに体系づけて「中医学」と呼んでいます。漢方では草木よりの生薬を主に用いて治療するのに対して中医学では鉱物や動物、鍼灸、瀉血などといった多彩な方法で治療をします。
 いずれも陰陽五行や気・血・水の理論に基づいて「証」という診断から治療を決定していき、西洋医学のような病気の原因を重視するのではなく、表面に現れた状態から心身のバランスを取ることに重点を置いています。したがって、西洋医学的には同じ病名でも状態によっては異なった薬を使うこともあります。
 西洋医学では原因が究明されないと治療が進まないのに対して、漢方や中医学(総称して東洋医学)では証に従って対症的に治療を進められることや、化学合成された薬ではなく自然の生薬を用いて副作用が少ないなどの利点が注目され、欧米でも年々盛んとなってきています。 

当院での取り組み 

 院長は医学生の頃より東洋医学の可能性に着目してまいりました。脳神経外科として研修を重ねる傍ら、東方医療振興財団の中国医学課程を修了し、日本東洋医学会認定専門医の資格を取得しました。この経緯からもおわかりのように、漢方よりむしろ中医学を基本としております。ただし、保険診療の関係により処方は漢方薬を用いております。また、訪問診療専門のおぎくぼ鍼灸院と提携し、鍼灸治療も取り入れております。鍼についてはさらに、脳卒中に対する醒脳開窮法も研究しております。プラセンタの穴位注射は鍼のツボに注射することで効果を高める方法で、同様な考えで注目されるフレンチ・メソセラピーの研究実践も行っています。現在は日本脳神経外科漢方医学会会員でもあります。

漢方医学